院長挨拶 (院長 石澤正剛:平成30年3月)  

今年もカ月が過ぎましたが、インフルエンザの大流行で大変なカ月でもありました。多数のインフルエンザ患者さんが当院にも来院され、また入院加療を必要とした患者さんもみえました。職員の中にも罹患した人たちがいました。
そんな中でも病院内での感染拡大をさせることなく業務を遂行できたことは、病院職員の医療安全や危機管理に対する意識や行動が十分できていたからだと思っています。

今後も病院内の安全管理を怠ることなく日々診療に努めてまいります。病院の体制はこれまで通り、稼働病床数100床で一般病棟(急性期病棟)と地域包括ケア病棟での運営となります。レスパイト入院も考慮いたしますのでお気軽にご相談下さい。引き続き当院は病院理念に基づき、地域医療を支えていく中心を担ってまいりたいと思います。皆様に信頼され安心して診療を受けていただけることを第一に、日々努力を怠ることなく、これからも職員一人一人が成長していけるような病院作りを目指します。(3月2日文責)

 


院長挨拶 (院長 石澤正剛:平成30年1月) 

新年明けましておめでとうございます。例年同様に海津市医師会病院は基本理念に基づき、地域医療を支えていけるように体制を維持してまいります。

 稼働病床数
100床はこれまでと変わりませんが、一般病棟と地域包括ケア病棟を有効活用していけるように努めてまいります。そしてなお一層、市と海津市医師会、周辺施設との連携を図り、地域医療を支えていきたいと考えています。
 今年も外科と整形外科については非常勤医師による対応となります。当院での手術治療はできませんが、専門的治療後にすぐに在宅に戻れない患者さんのために、継続治療や体力・身体機能の回復を目標にリハビリを行います。また糖尿病については専門医が
名おりますので、外来診療はもちろんのこと、教育入院を含む血糖コントロールや合併症検査・治療をしっかり行うことができます。総合内科専門医も名おり、様々な疾患にも対応していきます。
 また、これまで通り市民の皆様の健康維持、病気の早期発見のため、人間ドックや生活習慣病健診・脳検診・癌検診を充実させてまいります。
 これからも地域医療を支え、皆様に信頼され安心して診療を受けられる病院を目標に、全職員一丸となって日々努力してまいります。
 
(12月28日文責)

 



 院長挨拶 (院長 石澤正剛:平成29年2月)

 年が明け早カ月が過ぎました。海津市の新成人は今年415人みえたそうです。少子高齢化が進む中、新成人の方々にはこれからの未来、海津市の将来を担っていただけることを期待したいと思います。


  今年も海津市医師会病院は基本理念に基づき、これまでと変わりなく地域医療に貢献できるように体制を維持してまいります。当院では現在まで一部病棟の休床状態が続いていますが、稼働病床数100床を有効利用していただけるように、これまで以上に行政や登録医の先生方、周辺介護施設や西濃地域各病院との連携を図っていきたいと思います。当院の限られた医療資源においては、手術治療や放射線治療を含め対応できない場合があります。専門的治療が必要な時には専門医療機関へ紹介させていただくことになります。ただ治療後のアフターケアは、治療医療機関と連携しながら当院で可能ですのでお気軽にご相談下さい。
  医療に限らず病院としては、市民皆様の健康維持・増進のため、健診関連業務にも力を注いでいきたいと考えています。当院では人間ドックや生活習慣病健診のほか、予約日程に制限がありますが、脳検診・乳癌検診・骨検診・肺癌検診・癌検診セットなど行っています。これらを有効に活用していただき早期発見・早期治療に繋げていくことができれば幸いです。病気や健康不安がある方はいつでも当院にいらして下さい。


(2月2日文責)

 



 院長挨拶 (院長 石澤正剛:平成29年1月)

新年あけましておめでとうございます。皆さまにとって平成28年はどのような1年でしたでしょうか。昨年はリオオリンピックが開催され、日本人選手の活躍により多数のメダル獲得や、大隅良典さんのノーベル賞受賞などのうれしいニュースがありました。今年も少しでも良いニュースが続くことを期待したいと思います。
さて、医療関係ではあまり明るい話は残念ながら無いと言わざるを得ません。地域医療構想による病床数削減の問題、新専門医制度に関連して医師の偏在と地域医療崩壊の懸念、認知症患者数の増加、さらには後期高齢者数の増加(
2025年問題)、それに伴い介護必要数の増加と介護者確保の問題、膨らむ医療費など医療を提供する側・提供される側とも将来が見通せないことに不安を感じている人は多いのではないでしょうか。しかし我々地域医療を担う責を負う者としては、住民の皆さまの期待に応えなければなりません。病院としてはこれからも海津市医師会を中心として、医師会先生方と共に協力して医療の発展に寄与できるよう努力していく所存です。そして地域住民の皆さまには安心して医療を受けられる環境を提供できるようにと考えています。病院から在宅、介護施設などへの橋渡し、あるいは入院受け入れの手配など、多職種間での情報をしっかり共有して、連携を図ることによりこの目標を達成してまいります。これからは病院と個々の患者さんとだけではなく、様々な職種の人たちも交えて、いかに在宅医療へスムースな移行ができるようにしていくかを考えていく時代だと思います。医師会病院としては少しでもお力になることができれば幸いです。
 今後とも宜しくお願い申し上げます。


(12月27日文責)

 



 院長挨拶 (院長 石澤正剛幸:平成28年4月)  

平成28年度のスタートとなりました。海津市医師会病院では、この春3月をもって今井龍幸院長先生が退職されました。この場をお借りして永年に渡り御重責を担ってこられたことに深謝申し上げます。そして、この度後任として、私「石澤正剛」が院長に着任いたすこととなりました。まだまだ至らぬ点も多々あろうかと存じますが、皆様には引き続きご指導ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。さて、この4月は診療報酬改定がなされ、すでに報道されました通り、診療技術料の本体は+0.49%の増額ですが、薬価−1.22%、材料価格−0.11%と改定率全体では0.84%のマイナス改定でした。2025年問題に向けて、今後は病院から在宅・施設へシフトさせていく方針の流れだと思います。要介護者や認知症患者数は増加の一途をたどり、それに向けて望む望まざるに関わらず医療機関の機能分化も推し進められていくこととなるでしょう。海津市医師会では地域包括ケアシステムが構築されつつあり、今後地域住民の皆様には病院を含めた医療機関・介護施設・介護支援施設・訪問看護・訪問リハビリなど、ご利用しやすい環境を提供できるように、病院としてもご支援させていただきます。なお、当院では昨年2月から始めました地域包括ケア病棟も順調に稼働しており、地域住民の皆様にも広く周知されるようになったことと存じます。患者さんが急性期治療終了後から、在宅や介護施設へスムースに退院できるように支援することが大きな役割です。1年が経過し実績も積み重なりつつあります。病院としては新たなスタートを切りました。これからも引き続き宜しくお願い申し上げます。            321日)

 


 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成27年10月)  

 地震、火山の噴火、台風・風雨災害など、年を重ねるごとに地球の怒りのようなものを感じるのは小生のみでしょうか。

 さて、当院ではMRI機器の更新に合わせて行政との協議の結果、平成26年度より脳検診を開始することに決まりました。未破裂脳動脈瘤、無症状脳腫瘍・脳血管障害などの発見も期待されますが、認知症の早期発見も大きな目的といたしました「11日に開院25
周年記念セミナー」として認知症をテーマに講演会を開催しましたが、多数、約700名の方々にお集まりいただき、安保法制や国立競技場への関心の高さに引けを取らないものを感じました。ありがとうございました。海津市在住の40歳以上の方で希望される場合は
行政より検診料金の補助があります。平成
26年度は、月より開始し平成27月で終了致しました。脳検診受診者が301名・人間ドックなどに際して脳検診を希望された受診者が102名の計403名(男性189名、女性214名)でした。精密検査が必要と判断された受診者は66名でした。脳動脈瘤の疑いが32名で一番多く、次いで、認知機能関連領域の脳萎縮が目立つのが17名、腫瘍の疑いが名、その他が名でした。そのうち、精密検査を受けられたり、専門医の指示を受けられた方は、脳動脈瘤で12名(内8名は動脈瘤は認めず、名が経過観察)、認知症で名(名とも現時点で認知症の心配なし)、腫瘍で名(名は手術予定、名は経過観察)、その他で名(問題なし)でした。要精検率(精密検査が必要と判断された方の内実際に精密検査を受けられた方の比率)は17.6%と低く、その向上が将来望まれます。ただ、無症状での疾患発見は少なからずありましたので、まずは一定の成果だと考えています。
 次年度は受診率・要精検率の向上はもとより、診断能力の向上も図ってまいりたいと考えていますので、多くの方の受診をお勧めします。
916日)

 



 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成27年7月) 

 今年は終戦から70年という節目に当たりますので様々な関心事があります。海津市はすでに10周年を迎えられましたが、当院も7月で開院25年周年を迎えます。4分の1世紀にわたり、地域の皆様の健康維持・疾病管理などに関与させて頂きました。途中には医療型療養病棟(第3病棟)の閉鎖、診療担当医師充足度の低下(外科・整形外科)による応需可能な診療範囲や時間の縮小など、病院設立に際しての医師会の先生方の趣旨から離れるような状況も生じてきました。他方、検診内容の拡充(乳癌検診や肺癌検診、そして最近では脳検診)を、住民の皆様方のご要望を受けまた海津市とも協力して行ってきています。一つの病院ですべてを完結させるような医療の形から、地域で分担し合い、さらに介護も絡めた形で完結させる方向に行政側の誘導が行われており、地域包括ケアシステム(海津市医師会担当)と地域包括ケア病棟(海津市医師会病院担当)がそれに対応すべく現在進行形で進んでおりますことは、以前にもご説明したところです。当地区での医療を担わせて頂いている当院にとっても、また、当地区での医療を受けられる住民の皆様にとっても、趣旨からいって意義ある出発ではないかと考えています。しばらくは、暖かく見守っていただきたいと考えます。

そして、その関連行事として711日には岐阜県医師会県民セミナーとして、認知症に関する講演会と質問会を海津市文化会館で開催いたします(詳細は広報などを御参照ください)。関心のある方にはぜひご参加いただき、現実に困っておられる事案に対してコメンテーターの方が丁寧に答えて頂くことになっておりますので、非常に有意義でもあり、かつ時節にあった内容ではないかと思っています。ご家庭で、地域でお困りのことがあればぜひ質問などして頂き、皆様のより良い生活環境を築くのに役立てて頂ければ幸いと考えています。ふるってご参加いただくことをお願い致します。なお、直接の御参加でも問題ありません。64日)


 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成27年4月) 

 東日本大震災から丸4年が経過しています。避難住宅に仮住まいせざるを得ない方がいまだに多いことや、復興の目処すら立たない地域もあると報道されています。福島原発事故については言葉が出ません。もっと確実に前進しないと5年後の東京オリンピックも片手落ちになってしまうように思われます。

 さて、当院では地域包括ケア病棟を2月から稼働しています。近隣では昨年より羽島市民病院や西美濃厚生病院が開設されています。昨年の診療報酬改定の中で、第1は消費増税分の補完(医療機関は受診者から消費税分をいただけないシステムになっています)、第2にこの地域包括ケア病棟が、当院にとり喫緊の検討課題となりました。前者に関しては当初の予想通り、消費増税分はみごとに消えてしまう結果となっています。さて、後者に関しては、海津市医師会において地域包括ケアシステムの旗揚げを昨年より計画され、近々には海津市内の医療機関・介護施設・介護支援施設・訪問看護施設などのマップが作成され、住民の皆さんが利用しやすい環境づくりを目的とした活動が開始されます。包括ケア病棟は、疾病の急性期を経過した患者さんが、自宅あるいは施設に退院されるに当たり、更衣や排泄の管理が心配だ・食事摂取がもう少し増えないと・段差があっても一人で歩けないと、などの日常生活レベルの向上やリハビリでの生活活動の体験を通じて、よりスムースに在宅や施設での生活に移行できるように支援する病棟として理解して頂ければ幸いです。疾病治療のため当院に入院され、急性期を脱した患者さんはもちろん、他の医療機関で同様に疾病が落ち着いた患者さんで、当方での支援が適当と考えられて紹介されてくる患者さんにもご利用いただけます。高齢の方は疾病で入院されると、概して活動レベルが低下し回復しないことがままありますが、それを減らすまたは少しでも戻すことができれば患者さんや御家族には望ましいことと考えるわけであります。
 とにかくもこの2月より始まったばかり、いろいろな問題も出てくると思われますが、地域の皆さんにも好評価を得られ、かつ、当初の目的を達成させられるように努めたいと考えています。(
319日)

 

 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成27年1月)

 新年あけましておめでとうございます。今年1年が、よりよい年でありますようにお祈りいたします。とともに、できるだけ楽しく、時間を使いたいと思っていますので、また1年、宜しくおつきあいお願い致します。

 今年度(平成26年6月)から始まりました脳検診は予想通りの受診状況でした。まだ、半年余りの経過ですが、未破裂の脳動脈瘤・脳腫瘍なども数名発見され脳外科に紹介しておりますし、認知機能に関連する脳(海馬など)の萎縮が目立ちアルツハイマー病が否定できない方も数名おられました(結果が届きましたら、紹介先を決められて当院に受診して頂ければ、画像をCDにコピーし紹介状を用意させて頂きます)。もちろんそれ以外に脳動脈性変化(微小梗塞・虚血性変化)も見つけられています(高齢化に伴ってある程度は認められるものですが)。肥満・脂質異常・高血圧・糖尿病などの動脈硬化を促進する要因をお持ちの方(メタボ項目が一つ以上該当する方も同様です)は、かかりつけ医あるいは近医にご相談いただきたいと考えています(結果には、そのようなコメントを記載しています)。また、(新旧の)副鼻腔炎所見も予想より頻度が多い印象でした。一定の結果がまとまりましたら、またお知らせさせていただきます。しかし、まずは後期高齢者の方や物忘れが心配・ひどいとお感じの方にはぜひ受診されることをお勧めいたします(予約などは海津市役所で扱っています)。

 急性期医療を終えられた後、自宅あるいは施設に帰られるのに、生活活動に要する能力にまだ心配のある方に、リハビリ・生活活動に役立つ介助を行い、入院時より退院後(在宅あるいは介護施設でどのような介護援助を受けたらよいか、など)までを計画的に運用して60日以内に退院して頂く「地域包括ケア病棟」を当院では2月より運用する計画で準備中です。地域の皆様により良い医療・介護・福祉を受けて頂くのが目的ですのでご理解をいただければ幸いです。(12月22日)


 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成26年10月)

 今年の夏は、猛暑と豪雨が併存する形で始まり、いつもの残暑の厳しい時期は雨が災害をもたらし、知らぬ間に秋真っ盛りという気候となっています。収穫の秋がいつも通りに楽しめるのかどうか、今年の冬はどうだろうか、と今から心配をせざるを得ないように、自然の流れが変わってきていることを実感させられます。「観測を始めて以降の」「過去○○年に一度あるかないかの」などと表現される事象がそのことを物語っています。天地が逆転するのではないかとまでは、心配しないまでも、風速60メートルはざらな強大大風、震度8以上の地震、などを心配することはある程度現実的なように思えます。被害を少なくする対策を出来る範囲で行っておき、かつ、一番近くて安全な場所がどこで、どのようにしてたどりつくかを、事前にシミュレーションしておくことが大事かと考えます。

1995年、ダステイ・ホフマン主演での「アウトブレーク」という映画を記憶されている方もあろうかと思います。西アフリカで感染が拡大している「エボラ出血熱」に類似したウイルスによるパニック映画だったように思います。自然を利用するだけを目的とした人の行為が逆にしっぺ返しを受ける、といった趣旨かと考えます。宅地造成に関連する土砂災害、温暖化と人の交流増加に伴う熱帯地域の感染症の北上、これらは姿を変えてのしっぺ返しかもしれません。病院を預かる医療者として、忍者化し巨大化する自然事象からいかに自身を守り、地域住民にいかに医療を継続して提供するのか。診たこともない感染症も診ないといけなくなることへの不安(再度勉強のし直しも含めて)もあり、多々解決すべき問題ばかりが湧き上がってきています。それでもできることをするしかない、と腹をくくるしかないかと、考えています。(923)


 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成26年7月)


 平成26年度の診療報酬改定から約3か月経過しました。はたしてプラス改定かマイナス改定かという点に関する検討結果が種々出されていますが、多くはマイナスという結果のようです。当院でも概算でマイナスの結果になることがわかりました。しかし、手をこまねいているわけにはゆきません。ですから、プラスに変換できるような状況を、目を皿のようにして、改定箇所を眺めながら四苦八苦しているのが、たぶん現状といえます。そのような医療機関もまだあるのではないかと考えています。
 その中で、7対1病床(病棟)に関する動向と、地域包括ケア病床(病棟)に関する動向が大きく扱われています。当院でも後者に関して情報を収集し、体制をととのえてゆくべく検討し、かつ、条件をクリアーしてゆこうとしているところです。在宅・介護との連携がより以上に重要になってきますので、行政はもちろん地域の介護関係の方々とご相談申し上げ、当地域でいかに効率よく医療・介護を提供できるのかを考えてゆく必要を感じています。

日本ドック学会からいきなりといった感じで出された基準値について賛否両論が聞かれます。ただ、多くの疾患ガイドラインというべきものと照らし合わせてみて、今回の基準値が疾患の数値に該当するという事実が多々あります(たとえば、収縮期血圧は147までが基準値とされましたが、現行の高血圧という疾患に該当する数値は140です)。診療の現場にある医療従事者はもちろんのこと、患者さんや未病状況の方には、多大な混乱が生じているのではないかと心配しています。一定の条件を満たした健常人の95%が含まれる範囲が基準値と定義されているようですが、健常人とは?、どのようにして健常人と判断するの?、といったやっかいな問題に答えてゆく大変さはあるといえます。一方、ADLを著しく低下させる疾患のリスクがどの時点から高まるのか、それならば、その数値以上は異常(疾患)と判定し対処しておくことがリスクを低減する有効な策である、ということも、多くの疫学的調査で明らかになっていますので、疾患判別数値は重い数値と考えたいと思っています。いずれにしろ、5年以上をかけてこの基準値の問題を解決してゆく予定だといいますので、それまでは、従前の基準値を尊重し、また、疾患判別数値に目を向けて対応するべきかと考えます。(6月22日)



 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成26年4月)

 新年度が始まりました。前年度の業績は業種によって様々であり、その結果を労働者に還元できたのは一部の企業のようです。医療界は概して厳しい状況であり、さらに消費税8%となる今年度の診療報酬改定結果は実質マイナスという印象を持ってもやむを得ないように感じます。2025年を見据えての従来からの方向性を明確にしたような政府の方針に追随せざるを得ない状況が年毎に鮮明化してきているように思います。ただただ今は、地道に地域のために歩んでゆきましょう、と職員に話しているところです。

 臨床研究の不正やデータの捏造・医療版の事故調構想の提出・iPS細胞の臨床応用の届出と、いろいろなことがありました。ここでは、思わず笑い、その後少し考えさせられる事例をお伝えしましょう(昨年9月頃に報道されたのでご存知の方もあるかと思います)。

 日本には「笑う角には福が来る」という言葉があります。お笑い番組はもちろん、落語・漫談などはどこかで毎日流されています。笑うことは、体の筋肉を動かす点ばかりでなく、抵抗力(免疫力)を高める効果があるといわれている点からも大切な行動です。音楽が抵抗力(免疫力)を高めることを実験で証明し、昨年のイグノーベル賞を受賞した報告についてですが、報告されたのは日本の大学の先生です。心臓を移植された動物に、手術後7日間いろいろな音楽(音?)を聞かせたところ、聞かせなかった群よりも移植された心臓が長く動いていたという報告です。単なる音やニューミュージックでは効果がなく、モーツアルトの楽曲を聞かせた場合、さらにオペラの椿姫を聞かせた群ではより長く心臓が動いていたといいます。その場合、抵抗力(免疫力)に関係するある種の細胞や物質が増加していたことも合わせて報告されていました。音楽を聴くと、うれしく・楽しくなる、そしてストレスが緩和される、そこに秘密が隠されているのでしょうか。人で実証されたならば、大変に有意義な発見といえます。同じ医療者としては、次ぎの報告が待ち遠しいところですが、如何でしょうか。そういえば、東北大震災の後、「アンパンマン」の歌がよく聞かれた(流された?)ということを思い出しました。しかし、その点でも、名古屋の大須演芸場が閉鎖されたことはこの地域のものとして残念なことと感じています。(3月12日)


 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成26年1月)
 

 新年明けましておめでとうございます。皆様にとっても今年1年がよい年でありますように祈念いたします。
 昨年年はよいことも悪いことも例年の如くありましたが、年初ですから、楽しい話題からにしたいと思います。

昨年、三保の松原を合わせて富士山が世界文化遺産に、そして和食が世界無形文化遺産に登録されました。後者は医療においても重要な関係を持っています。多くの生活習慣病の基本治療として、和食を基にした日本食が推奨されています。旬な時期に新鮮な食材を使用し、季節や自然ばかりでなく文化をも感じられ、かつ栄養的にも調和がとれ、家族で一緒に楽しく食すれば健康面以外の効果も期待される日本の食文化、誇らしく思う一方で病院食にまで応用されるには、随分と時間が必要で難しいだろうな、とため息(無理だろうね!)をついてしまいます。疾病予防・改善という点から、まずは病院での食事に生かされるべきではないかとも思えるのですが。病院での食事提供にもっと余裕を持たせられるような経済的な面を勘案した施策を多くの医療関係者は望んでいると思いますが、支出の抑制が厳命である国費の分配においてはなかなか困難だと感じています。患者さん、いや国民の皆さんの声を大にした応援を期待します。

一方で、毎日何万トンもの食物・食品が食されずに廃棄されている現実が日本にあることも忘れてはなりません。「残したら作った人に申し訳ないだろう、全部きれいに食べなさい」「米粒ひとつ残さないように綺麗に食べなさい、お百姓さんに申し訳ないでしょ」「勿体ない」など、食べ物を大切にし、食べ物を作ったり、後片付けをしたりする人のことまで考えて食事をすることを「美」とするような習慣が日本にはありますが、現代の食事情・経済事情、そして健康を維持するために「一口いや二口は我慢してみましょう」と指導することが多い医療環境からは、古きからの「美」は悩ましいものになってきています。
余り物が出ないような工夫を食品業界でも考え実施して成功しているという報道もありますが、両者が両立して成り立つような状況が作られるようにも望みます。まずは、少なく作り、ゆっくり味わって残さずに食べるような工夫を家庭でもすべきでしょう。
もうひとつ、食物や料理の偽称事件にがっかりしたのは私だけではないでしょう。だまされない様に、目・耳・口を生かして生活してゆきましょう。(12月17日)


 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成25年10月)
  この夏は過去に経験したことのないような気象状況が多く報告され(最高気温・局地的豪雨・竜巻など)、それに伴う不幸な事例や災害も報じられました。一方参議院選での与党の大勝は予想されていたことですが、高齢者の医療費の負担率・年金給付開始年や額の見直しなど医療面からもその経過に注目してゆかねばいけないものもあります。

 そろそろインフルエンザの季節になりますが、今春からは風疹が大流行しワクチンが夏には不足するというような予想がなされました。しかし、梅雨明け以降徐々にその発生数が減少し、ついにその報道さえ聞かれなくなってしまいました。なにか釈然としません。釈然としないといえば、熱中症予防にクーラーなどを有効に使用しましょう、という掛け声は毎日のように聞きましたが、電力需要のピークとなる午後に節電に努めましょうという掛け声は一切聞こえてきませんでした。

 さて、当院では風疹抗体価検査とワクチン接種に対する措置を今回行いました。血中抗体価が十分(32倍)な職員は57%でした。ワクチン接種後(不十分な職員への)に抗体価が十分になった職員は41%でした。何れも女性に、20歳代で低い傾向でした。

 病院内にはいろいろな病原体が存在していますし、重症化しやすい状況の患者さんも居られます。特定の感染症が広まらないようにする手段は、持ち込まない、消し去る、感染症が起こってもその早期発見と早期治療、そしてなにより情報収集と現場への助言・支援ということになるかと考えます。職員の感染防御力を高めることは、最初の持ち込まない時点で大きく寄与するものと考えて措置しました。一般的な防御としての手指消毒は、職員には励行するように指導していますが、持ち込まないという点からは、お見舞いの方々にも実行していただきたくことも重要だと思います。そのため、館内放送にて定期にアナウンスすること、病室入り口にある手指消毒剤設置場所の掲示をより目を引くようなものに変えるなどして、実行率を上げようと考えています。先のワクチン接種の成果どうように、どれだけ職員以外の方々の実施が増えたか検証する必要性があります。

 最近の話題といえば、2020年夏季オリンピック開催都市に東京が選ばれたことでしょう。7年間の間に立派な準備がなされることにはほとんど心配はしていません。しかし同時に、福島原発事故にも明るい工程が示されかつ現実的に歩みが始まっていることも期待したいと存じます。(912日)


院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成25年7月)

 夏真っ盛りの季節を迎え、そして残暑へと移ってゆく時節となりました。最近は春と秋という季節を味わえる時間が短くなったように感じます。そして今夏の暑い盛りには、参議院選挙も予定されており、憲法改正に関する意思表示を国民として要求されるかもしれませんし、また、TPP交渉への本格的な参加も始まり、各国とのせめぎあいの結果が医療の関連分野に影響を及ぼす可能性もあり目が離せません。

 少し前に有名な女優さんが、遺伝子検査の結果乳癌になる危険性が高いことから乳房手術を受けられたという報道がなされました。ワクチンによる疾病予防あるいは疾病の軽症化の話は一般の人にも理解しやすく、また、十分とまではゆかないまでもその効用について情報が提供されていますが、今回のような遺伝子による疾病予防や治療に関しては医療従事者でもその理解度は様々です。ましてや、一般の人向けには説明も情報も十分ではないように思います。最近行われるようになった新型出生前胎児診断に関しても同じような印象を持っています。母体の血液検査で胎児の多く(!)の遺伝子異常がわかり、母体あるいは生まれてくる子供の将来をよりよく判断できるからすばらしいことだと思ってしまいます。僅かに3つの遺伝子異常の疾病が100%近く(!)で解り、100%近くの確率で大丈夫ということのようですが、その結果の読み方・解釈や判断を含めて、母親をとりまく多くの方々に十分な説明が重要であるといわれています。

病気ではない人が予防のために利用する特保食品が多く認定され、巷に多く出回っていますが、病気の人が利用され、生活習慣の改善あるいは現行治療の遵守がおろそかにされるような事例も見かけますし、第一、これだけ!で大丈夫というような宣伝内容に終始していることも同時に心配です。

5月より当院でも様々な検診が開始されました。結果のよしあしはもちろんですが、その読み方・活かし方を私たちはもっと発信しないといけないと思ってはいますが、まずは、受診者を増やすことも大切ですので、地域の広報には細かく目を通して受診していただくことをお勧めます。(6月10日)

 


 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成25年4月)。


 
iPS細胞を応用した最初の臨床研究が日本で届出されたことが報道されました(最近、手塚治虫氏の漫画「アポロの歌」に、山中教授と一緒にノーベル賞を授与されたジョン・ガードン教授の蛙の実験についての記載があることを知りました)。政府が日本を強くするためにてこ入れされる分野のひとつでもありますが、あまりにも「○○細胞」と声たからかにアナウンスされると、「医療はそれだけか」と勘違いされはしまいか、と危惧されます。TPPに参加することも合わせて表明している政府ですので、医療分野にどれだけ影響が及ぶのか、一方で戦々恐々としているのも事実です。国民皆保険、そして、よしあしは別にしてイージーアクセスである点、現在の日本の医療体制は諸外国に誇っても良いシステムと考えられぜひ継続されることを望みます。現在は、特に医師を始めとした、医療従事者不足(地域・分野などにおいての格差が主体!か)がまずは解消されねばならない大きな課題と考えます。それが達成された後における、より効率的な運用について検討がなされるべきかと思われます。いたずらに利益誘導するような施策は見直していただきたいと望みます。

医療現場では職員の笑顔が大変貴重(どの社会でも同じだと思いますが)であり、かつ重宝とされる技術でもあると考えます。そんなことを考えていましたら、あるラジオ番組で聴いた、「みんなを笑顔にする算数」がふっと浮かんできました。内容は下記のようでした。

  助け合う(足し算)   
  引き受ける(引き算)
  言葉をかける(掛け算)
  いたわる(割り算)   おもいやり算!

 医療の場に限りません、少しでも実行できたら、世の中はもっと住みやすいものになるのではないでしょうか。ご参考までに。

 新しい年度が始まりますが、当院は、まずは職員の量・質の今以上の底上げを優先課題としてやってゆくつもりであります。不足する職員確保を全職員の協力を得て実現し、職員一人ひとりの啓蒙の場の提供・支援を充実させてゆきたいと考えています。地域の皆様方には、従来以上に利用しやすい・相談しやすい医療機関として評価していただけるように努力し、地域医療・介護・福祉に関係する諸団体とも手を携え実行してゆくつもりですので、1年間よろしくお付き合いお願い申し上げます。
(3月23日)
                                                         


 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成25年1月)

 新年明けましておめでとうございます。

 昨年の良いこと・悪いことは忘れて、新たな年を歩みだしてゆきたいものです。

 1年以上が経過するのに、依然として復興の景色が描かれない東日本大震災。原発非依存ののろしは、地震大国日本では安易にゴーサインを出せない事実(活断層上の施設、トンネル事故にあらわされるように長期に渡る構造物の劣化)が報道されましたが、やっぱり必要、とういう流れに打ち負かされるのではないかという心配。選挙後のながれを静観していくしかないのでしょう。

そんな昏迷の続いた日本ですが、ロンドンオリンピックでの日本人選手の活躍が、昨年のなでしこの活躍と重なり記憶に残っています。そして、平成24年という1年をあらわす漢字「金」に尤もふさわしいと思われるのが、山中教授のノーベル医学生理賞の受賞でしょう。失敗や予想外の結果の中にも、輝かしい光が宿っていることがあることをお示しになり、失敗を恐れずに前進することをも教えられ、また、ご自分には、受賞は過去のこと、臨床にはやく応用できるようにと、再出発の意気込みを示されました。まことに、その福音が早く届くことを願っています。

 医療界においては、厚生労働省の想定している医療の方向性を見極め対応すること、2年ごとの診療報酬改定に一喜一憂しないこと、消費税率が上がることに関連する問題、そして医師法21条の問題にも目が離せません。特に医師法21条をめぐる問題として、診療行為関連死の捉え方(異状死との整合性など)および警察への届出に関して注目しています。昨年政権与党が変わり、経済・外交が優先課題とされ、「医療事故に係る調査の仕組みなどのあり方に関する検討部会」でこの点がスムースに検討されるか不透明です。検討部会の結果を踏まえてガイドラインが早期に作成されることを希望しています。
1227日)


 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成24年10月)

 今年の台風は迷走というか、足踏みして多量の雨を降らせながら各地で被害を起こしてから、真打登場といった様相です。台風シーズンはそろそろ終わりになりかけていますが、地球は、自然は、なにかのサインを送っているのでしょうか。ある番組を見ていましたら、地球と宇宙の境目付近で見られる特殊な雲を放映していました。普段見ることのない、また、きれいな?雲なのでしょう(美的センスがないので、美しいとまでは?)。そして、緯度の高い地域でしか見られない空なのですが、見られる範囲の緯度が徐々に下がっているといいます。うれしいこと?きれいな雲が見られて、と思ってしまいますが、これは、長期にわたる人の活動から生じた二酸化炭素の増量によると解釈されていて、決して喜んで入られない現象だと伝えていました。最近富に、自然と、地球の悲鳴ではないかと思える現象が増えてきてはいませんでしょうか?

 さて検診についてのお話に変えましょう。検診は就業時や特殊な業務に従事する場合など、決められた内容の検診を定期的に受ける必要があります。一方、疾病を心配したり、健康かどうかを確認するための検診もあります。種類は別として基本的には、検診はぜひ受けていただきたいと思っています。機会をとらえては受診される患者さんに、「市から通知がきたら受けてください」と話しています。そんな場面で、「血液検査は病院で時々してるし」「通院しているから全部診てもらっているし」、だから大丈夫、「受けなくてもよい、受けていない」というような会話も聞かれます。病気のための検査は限られたものですし、検診の検査項目は逆に病気のために必要な項目が欠けている場合もあります(もちろん、尿や血液検査の中には、検診と診察でよく検査される項目もあります)ので、「いやいや違いますよ、ぜひこれこれの理由で受けましょう」と医療機関としては対応しています。

まったく害のない検診項目というのはないといってもよいのですが、最近は、被爆ということに関心が集まっています。たとえば当院で行っている「肺癌CT検査」は1回の被爆量が4ミリシーベルト以下です。被爆しても確実に大丈夫といえる閾値はだれも持ち合わせていませんが、今までの知識や経験(原爆投下・実験など)から10数ミリシーベルトの被爆によるDNAの損傷は数日で修復されるとも言われています。あまりにも過敏にならずに1年に1度、あるいは2年に1度の割合で検診を受けられるのなら大丈夫と考えます。 

ぜひ、検診にはご参加ください。

921日)


 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成24年6月)

 日本人の死因では癌や感染症が多いといわれていますが、当院内科入院患者さんの死因統計では、感染症(特に肺炎)・心・脳血管障害の順になっています(例年の内科入院患者統計の結果から)。癌は早期発見・早期治療に尽きると思われますので、その発見機会となりえる検診の実施、そしてその後の指導および2次検査が重要であるといえます。高齢者の死因としての肺炎にも、肺炎球菌ワクチン接種の効果(約30%の抑制効果があったともいわれていますし、当院でも現在ワクチン接種効果を評価する研究に参加しています)、あるいは冬季のインフルエンザワクチン接種の効果が明らかなように、予防という点での関与が可能です。海津市においては、肺炎球菌ワクチン接種に関して、生涯1度だけでなく、5年以降の2回目までは補助対象にしていただければと思っています。心・脳血管障害は動脈硬化が基盤となっていることは周知の事実です。その予防・治療に重要なことは、生活習慣の是正もさることながら、ひそかに忍び寄る病魔の姿を知ること、動脈硬化のリスク因子の解消、にあると思います。当院では、高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満などの診療に日ごろから力を入れ、かつ、専門医も常勤していますが、血圧値・血液検査結果の周知のみではなかなかその深刻さが伝えきれていません。また、従来行ってきた頚動脈中・内膜肥厚を知る検査でも同じような難点があります。今回当院では、「パセラVS−1500」という機器を導入し、動脈硬化にかかわる検査結果が目に見える形でお知らせできるようになりました。上肢・下肢の血圧値の違い(通常は下肢の血圧が高い)から、主に下肢の動脈硬化の程度が推測され、特に閉塞性動脈硬化症(下肢切断にいたる疾患でもあります)や閉塞性血栓症血管炎(バージャー病)の診断に有効です。また、同時に大動脈硬化の程度を同時に計測する(PWV:大動脈の脈波伝播速度、と互換性がある)ことができ、広く動脈硬化の評価が可能となりました。診療のみならず、検診項目としても利用価値が高いと考え、啓蒙につとめてまいります。

610日) 


 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成24年4月) 

 東日本大震災、福島原発事故から1年が経過しました。謹んでご冥福をお祈りするとともに、1日でも早い復旧・復興が着実になされ、地元でがんばっておられる皆様にも安心して生活していただける日がくるようにお祈りいたしています。

 当時の映像、あるいは当時はまだ知られていなかった内容の映像、などを改めてみていると、いまさらながら自然の秘めたる力のすさまじさ、また容赦のなさに言葉が出ません。白旗を掲げたほうがよほど楽ではないだろうか、とさえ思ってしましそうです。しかし人類は、いや日本人はいままでも自然とは上手な付き合いをしてきましたし、これからもそうしてゆかねばなりません。国民一人ひとりが智恵を出し、協力できることをひとつでもやってゆきましょう。

 今冬は、インフルエンザ・ノロウイルスなどの流行がありました。幸にもこの地域では重大な事例はなく、よかったと思っています。

 東北地方では病院での平均入院日数が約20%延長しているという報道を目にしました。その理由の一つは、急性期病院での治療が終了した患者さんの帰るべき自宅がない、帰られる介護施設がない、ということだそうです。入院治療から退院、社会復帰するまでの道筋がまだ不完全であるということなのでしょう。同様の事例は、程度の違いこそあれ全国に共通する問題であろうかと思われます。急性期(実態は何か?が現在検討中とのことですが)医療を担う病院は、診療報酬などに導かれ入院日数を短縮すべく努力され、その結果として半急性期状態の患者さんが地域の病院、介護施設などの医療機関へ紹介されてきます。しかし、受ける側の容量は決して充足されているとは言えず、結局は今回の東北地方と同じ状況が常態化しているのが現状だと考えます。急性期(?)医療は短ければ短いほど「良い」のかどうか?良しとするのであれば、どこまでを急性期医療が担うのかを明らかにし、その後の受け皿を十分に準備すること、などがなされなければすべての流れが滞ってしまいます。特に高齢化という現状を考えると高齢者の急性期医療は単独でも日数がかかりますし、さらに別に医療を必要とする状況をすでに持っておられたり、あるいは併発されたりするリスクが十分に高いことを考えると、急性期医療の画一的で単純な短縮化は再考すべきであろうと思えます。(318日)

 
 

院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成24年1月) 
新年明けましておめでとうございます。
 昨年はアラブの春といわれるようになった住民運動から始まり、欧州の経済不安へという流れの中で、日本を含む太平洋地域の国々が注目を浴びる状況でしたが、日本では、3月の東日本大震災と福島第1原発事故に引き続く自然災害や社会・政治情勢の流れの結果、問題を今年に積み残し、かつ、世界で十分な立ち回りができなかった1年であったように感じています。なでしこジャパンのワールドカップ優勝、地元では中日ドラゴンズリーグ連覇といったスポーツでの明るい話題もありましたが、花火の如く、あまりにも短い喜びの時間であったような印象を持ちます。
 逼迫する経済情勢の下、より効率的で透明性の高い税金の使い道を探す方策として、いろいろな政策が見直され、予算化の段階で減額・据え置きという結果になっています。しかしながら、医療費は確実に増加しています(確実に必要であるといえると思いますがどうでしょう)。これは、政府が、そしてまたわれわれ医療側もそうですが、絞って絞って節約してがんばっていての結果であることを考えると重要な事実だと思います。皆保険を堅持しつつ疾病の早期発見とその対策、さらには、発症防止の対策まで加えれば、この高齢化が進行する人口構成の変化を考慮することで、経費を減らすという結論が出てくることが納得できません。 当院と同じ地域医師会立病院の財務状況(平成18年の診療報酬改定の影響を3年後に評価した結果です)をみてみますと、黒字か赤字かとういう点では、赤字が過半数を占めて増加したといいます。その要因としては、診療報酬に関わる点(リハビリ料の改変、紹介加算廃止、入院基本料算定用件の改変、など)、人材不足(医師・看護師)とそれに比例したような人件費用の増加、などをあげています。もちろん、医師会会員の利用意識の低下というようなことも意見として述べられてはいますが、究極的には自立運営は困難となる可能性が高く、公設民営といった経営体制そのものを見直すことすら考えないといけないと述べられていました。

 今年は辰年です、干支の如く飛躍するよう努力してゆきたいと思います。よろしく、また1年お付き合いをお願い申し上げます。

 


  院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成23年10月)

 今年の台風は迷走というか、足踏みして多量の雨を降らせながら各地で被害を起こしてから、真打登場といった様相です。台風シーズンはそろそろ終わりになりかけていますが、地球は、自然は、なにかのサインを送っているのでしょうか。ある番組を見ていましたら、地球と宇宙の境目付近で見られる特殊な雲を放映していました。普段見ることのない、また、きれいな?雲なのでしょう(美的センスがないので、美しいとまでは?)。そして、緯度の高い地域でしか見られない空なのですが、見られる範囲の緯度が徐々に下がっているといいます。うれしいこと?きれいな雲が見られて、と思ってしまいますが、これは、長期にわたる人の活動から生じた二酸化炭素の増量によると解釈されていて、決して喜んで入られない現象だと伝えていました。最近富に、自然と、地球の悲鳴ではないかと思える現象が増えてきてはいませんでしょうか?

 さて検診についてのお話に変えましょう。検診は就業時や特殊な業務に従事する場合など、決められた内容の検診を定期的に受ける必要があります。一方、疾病を心配したり、健康かどうかを確認するための検診もあります。種類は別として基本的には、検診はぜひ受けていただきたいと思っています。機会をとらえては受診される患者さんに、「市から通知がきたら受けてください」と話しています。そんな場面で、「血液検査は病院で時々してるし、」「通院しているから全部診てもらっているし、」、だから大丈夫、「受けなくてもよい、受けていない」というような会話も聞かれます。病気のための検査は限られたものですし、検診の検査項目は逆に病気のために必要な項目が欠けている場合もあります(もちろん、尿や血液検査の中には、検診と診察でよく検査される項目もあります)ので、「いやいや違いますよ、ぜひこれこれの理由で受けましょう」と医療機関としては対応しています。
まったく害のない検診項目というのはないといってもよいのですが、最近は、被曝ということに関心が集まっています。たとえば当院で行っている「肺癌CT検査」は1回の被爆量が4ミリシーベルト以下です。被爆しても確実に大丈夫といえる閾値はだれも持ち合わせていませんが、今までの知識や経験(原爆投下・実験など)から10数ミリシーベルトの被爆によるDNAの損傷は数日で修復されるとも言われています。あまりにも過敏にならずに1年に1度、あるいは2年に1度の割合で検診を受けられるのなら大丈夫と考えます。 

ぜひ、検診にはご参加ください。

 


 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成23年7月)
  

 世界では中東地域での民衆運動やその結果による国家体制の改革・維持・混乱などが矢継ぎ早に報道され、大変な状況になるのではと思っていたところを、311日の東日本大震災ならびに原発事故が日本を襲いました。100日を経過した今日でも生死のわからない方の人数が数千人という状況です。原発事故は、収束へ向けた道筋もまだ定かではなく、復興や復旧に向けた動きも必ずしも順調とはいえないようです。一方で、震災の影響は被災地以外の日本各地にもさまざまに及んできています。復興・復旧には年単位の時間が必要と思えますが、東北人いや日本人の底力で成し遂げられることと考えていますし、そうならねばいけないと思います。ただただ地道な努力と我慢が必要だと考えます。

震災後より、日本はもとより世界から支援の手が差し伸べられています。当院でも可能な支援をと思っている職員は多いのですが、慢性的な人員不足のなか、限られた中での支援になると考えています。ただ、心の中ではいつもその気持ちを持ち続けてゆくことが重要と考えていますし、職員皆そうであると考えています。幸いにも被災にあわなかった地域のものとして、近々起こるとされている、東海・東南海・南海大地震などの天災に向けた準備が十分かどうかを見直しつつ、そして医療を安定して地域に提供し、かつ、いち日本人としては過度に自粛するのではなく元気に活動することも大切ではないかと考えます。「無常」という言葉は、人の死・不幸に対して投げかけられる言葉の一つですが、字のごとく、「常」なるものは「無い」、常に移ろいゆくものと考えれば、被災地の今の日常も必ず変わるものだという希望をもって頑張っていただければと考えています。

 心から被災地の皆様が早く復興・復旧されることを念じ、少しでもご支援できるように頑張りたいと思っています。

 


 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成23年1月)
 
  新年明けましておめでとうございます。

昨年は新型インフルエンザの流行の中での幕開けでしたが、幸い日本においては諸外国に比べてその被害は少なかったということでほっとしたことを覚えています。今冬のインフルエンザの流行状況は例年並みとのことですが、まだまだ注意が必要と考えています。ワクチン接種、うがい・手洗いなどの予防対策は十分に行っていただきたいと思っています。
当地域において昨年はというと、スポーツにおける輝かしい結果(野球・サッカー、フィギアスケートなど)や生物多様性保護にかかわる世界的会議が開催されたこと(成果はいまひとつでしたが)など明るい話題もありましたが、温暖化による(と思われる?)異常気象や事象(暑い夏、少ない台風、野菜の高騰、マツタケの豊作など)があり、それに追い討ちをかけるように、ミイキリークス、ノーベル平和賞、日本政治の混乱や近隣諸外国の強気な活動手腕などが報じられました。このような中、医療界では、22年度の診療報酬改定、家族の同意による脳死患者さんからの臓器移植事例の報道などを除けば、大きな変化はなかったように思われます。

 さて、当院では昨年20周年を迎えました。どうにか地域に根ざした医療が提供できるようになったと感じています。それを担保するには、病院職員の努力が最低条件ですが、地域の皆様のご支援やご協力が大変な力になると考えています。新たな年を迎えるにあたり、少しでもご期待にこたえられる力をつけてゆくことを地道に考えてゆきたいと思っています。

                                     


院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成22年9月)
 【20年を経過して(その2)】
 医師を始めとする職員確保が厳しくなる状況が、医療現場の疲弊と混乱、ひいては崩壊というシナリオに結びついていったのがこの数年の流れであり。当院もまさしくその真っ只中にあります。過酷ともいえる医療現場の中でも、医療の質を担保することが要求される一方、医療もサ−ビス業であるという認識や医療の透明化・情報開示が求められ、職員一人当たりの業務量が飛躍的に増加してきています。マンパワ−がますます必要となる流れが医療を担う人が第1に改善されるべき課題として医療職の安定的な確保をあげる理由と考えます。
 小生が病院長となったとき、第1に当院の医療の質の向上(外部からの評価に耐える)、第2にチ−ム医療(クリニカルパスの拡充)、第3に医療の透明化(カルテ類の質の向上)、第4に将来像(登録医とのIT連携、病院機能評価受審、健診業務とリハビリ業務の強化)の4点を掲げさせていただきました。その後2回にわたり自己評価を行いました(病院誌に記載)が、残念ながら60点以下の評価が半分でした。基本的な点では変わりはありませんので、これからもこの4点を重要な柱としてゆきたいと考えています。
 患者さん・職員あるいは地域での禁煙の推進についてはまだまだ貢献できていませんが、2003年より全館(院長の意識では敷地内)禁煙として環境に対する配慮を徹底いたしました。環境保全に関して残念ながら築20年となる現在の施設を手直しし、将来はエコロジ−をも考慮しての施設整備を考えないといけないと考えています。日進月歩で進む医療界では医療機器の更新あるいは新規導入が必要であります。登録医の先生方にご利用いただくにも、あるいは、疾病の早期発見・安全で安心の早期治療を継続するにも重要と考えています。医療職の安定確保ということも重要です。当院の開設以来、様々な点からご支援いただいてきた、岐阜大学医学部を始めとする関連施設や海津市を始めとした行政の皆様(地域住民の皆様)には、この20年の御礼を述べるとともにこれからもより一層のご協力・ご支援とご鞭撻をお願いしたいと考えています。
 その恩賜に報いるためにも、地域住民の健康管理から疾病の救急対応と管理そして介護までを、職員に過剰な負担をかけることなく、行えるように努めるのが当院の役目と考えています。日曜のゴ−ルデンタイムに放映されている「ちびまるこちゃん」も20年ということです。老若男女にいまだに好かれ続けているにはそれなりの理由があると思います。当院も地域の皆様に、これからも同様に愛される中で、その責務を全うできるように進むことが大切と考えています。                                                                            
 


 院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成22年5月)
【20年を経過して(その1)】
 平成2年7月に当院は開院し、ちょうど20年が経過します。10年一昔といいますが、20年という年月はどうでしょう。短いようでまた長いようで、中途半端な感覚を持ちます。当時の世界では、イラクによるクウェート侵攻が開始され、ヨーロッパでは東西ドイツの統一がなされました。しかし、20年を経てもなお解決には至っていません。国内では当時「ファジー(曖昧さと誤解)」という言葉が流行ましたが、政権が交代した現在、かえってファジーに揺れ動いてるような印象です。
 開院当時は「よしやってやろう」「なんでも診てやろう」などという気持ちで毎日を過ごしていたことを思い起こします。そのような気持ちとは違って、結果がなかなか現れず、地域の皆様に認知され愛されるにも地道な時間が必要だという、故小川威彦医師会長のお言葉に支えられてなんとか頑張ってきたように思い返されます。病院に整備された高機能な医療機器を病院職員はもちろん登録医の先生方にも十分に利用していただき、開放された病床を登録医の先生方に有効に使用していただき、その結果が地域の医療・福祉状況に寄与することが期待されました。その点に関しては、病院からの宣伝・発信不足もあり、伸び悩み状況が現在まで継続していることは残念に思え反省点でもあります。病院・登録医双方の理解と協力により改善してゆきたいと思っています。
 10年が経過した中間点ともいえる頃は、病院機能を、医療と介護、急性期と慢性期というように仕分けされてゆく道筋がつけられ、さらに福祉・医療への歳出削減、医師数削減という方向性が示され、現在の医療崩壊につながる氷河期が始まった時期との印象を持ちます。そのような中で、当然のごとく当院の方向性が重大関心事となりました。急性期と慢性期の医療を、入院機能中心に行うのが当院の立場であるという観点(理念)から、一般病床の一部を医療介護型病床に変更することを関野前院長が決断されました。その選択が間違いでなかったことが、療養病床の開設後と閉鎖以降の経過からも証明されたと考えています。病院の将来像は、その時々の医療情勢や社会情勢により悩ましい懸案事項ですが、地域の医療状況・当院設立の理念・そして何より国が示す方向性などを勘案すると、救急を含む急性期も慢性期ともに当院が担うべき領域であると考えざるを得ません。
 それゆえ、数年来の課題である療養病床の再開を含めた病院機能の安定的提供を可能にするような工夫を模索することが現在の大きな課題と考えています。                                                                          
                         


院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成22年1月)

 新年あけましておめでとうございます。
 昨年1年の世相をあらわす文字が「新」という字でした。春からは新型インフルエンザの流行が始まり、夏には政権交代がありました。しかし、エコ減税に関連した一部の経済活動にはあかるい兆しが見られましたが、依然厳しい社会状況である点は変わっていません。皆様はどのようなお気持ちで新しい年をお迎えになりましたでしょうか?
 新型インフルエンザは、日本では幸いなことに予想以下の流行状況で推移しているのではないでしょうか。小児科診療を除けば医療の現場ではワクチン接種の混乱のほうが関心事ではないかとも感じられます。政府が考えた?計画通りの供給がなされず、ワクチン接種が必要な国民にいまだ十分に行われていない状況を真摯に受け止め、効率的な実施を目指してゆきたいと考えています。ただ、このまま流行が終焉して行ってくれることも希望しています。
 昨年は、急な医師の欠員が当院ではあり、診療に際して多大な影響が出ました。そのため、地域の皆様には様々な点でご迷惑をおかけしたのではないかと思っています。幸い、医師の補充が秋には行われ、どうにか従前の診療体制にもどりつつあります(いまだ2名欠員)。医師の研修医制度が実施された数年前と同じ状況が、薬剤師を養成する薬学部の6年教育が始まったことで、薬剤師の確保にも出てきています。聞くところによりますと、6年教育となり、薬学部への受験者・希望者が減少するという危惧を抱くかたもおられます。調剤薬局などへの薬剤師の配備も広がっており、薬剤師の確保も難しい時代になるように思われます。医師・看護師、そして薬剤師までが不足するというこの状況は致命的です。「医療体制を早急に整備する」など、と声高にいわれても実感がわきません。実効性のある施策をお願いしたいと考えます。
 昨年、当院の病院機能の一部を医師会の先生方にご支援いただいたこと(現在も継続している部分もあります)は、地域に根ざした医療を提供する当院の理念から大変に意味あることであると、感謝しているところであります。
 さて、今年は病院の設立20周年にあたります。7月にはそれにふさわしい行事を計画し、地域に根ざした医療を提供してきた病院であることが十分理解していただけるようにしたいと考えています。その際には、ご支援、ご協力をよろしくお願いしたいと考えています。
 まとまりがありませんが、新年のご挨拶といたします。                                                                                                          

院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成21年6月)

今年3月にはメキシコで発生していた(?)と考えられる「新型インフルエンザ」が、瞬く間に世界に、そして日本でも流行しています。5月の連休前からわずか1ヶ月の間に関西地区では「蔓延」し、以後多くの地域で確定例が散発しています。予想はしていたものの、その拡がりの早さには背筋をヒヤッとさせられました。冬を迎えた南半球では発生増加が報告されていて、日本でも散発的な患者さんの発生が続くものと考えられます(最近WHOはフェーズ6を宣言)。医療に携わる我々はいっそう真剣にその状況を見守っていくべきと思います。

 当地域で発生、蔓延状況に至った場合に備えるべく、外来対応・入院対応の手順を、毎日のように伝達される情報を参考にしながらなんとか策定し終えたところです。対応できる職員を十分に配置できるのか?(一般診療を制限せざるを得ないこと、職員が感染した場合のこと、など)、施設の構造的問題から感染者と一般患者さんを無難に接触しないで診療が行えるのか?(館内をカーテンなどで間仕切り簡易隔離、患者さんの移動は館外を経由して誘導するが、階段・エレベーターは同一箇所にあるという構造、など)、診療に伴う機材・薬剤は確保されているか?(マスク・防御具・消毒剤・抗インフルエンザ剤・簡易診断キットは通常診療での備蓄分、1から2週程度、しかなく、入手困難な状況、など)???、考えるだけ不安ばかりが募るというのが偽らざる心境です(患者さんを守ることは、職員を守ることと同じ)。

 秋以降に襲ってくるだろう事態に対応するためには、先の3つの疑問に対して、医療側への実質的な担保がなされないと、医療の現場は悲惨な状況になることを十分にご理解願い、実効性のある「体制」を実施していただきたいと望むところです。


院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成21年1月)

 明けましておめでとうございます。

 昨年当初の日本の好景気は、秋以降季節の流れに合わせるように一変しました。昨年1年を締めくくる漢字は「変」でしたが、これは、「変化」「変革」という期待をいだかせる意味であり、決して「変だ、おかしい」という意味ではないことを(来年は)願った人が多くいたと考えます。

 経済のことは素人でよくわかりませんが、日本の医療状況は「新臨床研修医制度」が実施されて以降、その混乱振りがさらに進行してきたように感じます(特に地方では著しい)。経済の建て直しももちろんですが、医療状況の早急の改善が迫られているのにいっこうに有効な対策が実施されず、10年先になんとかなるかもしれないと期待だけを抱かせる施策のみが提出されています。医療・福祉の現場で多くの国民の嘆く声が大きくならないと、何も打ち出せないかと思うのは小生のみでしょうか?

 さて、昨年は16列の新しいCT画像検査装置が夏以降に稼動いたしました。その第1の恩恵は、当院で健診を受けていただいた受診者の皆様へ、分かり易い結果として情報を提供できるようになったことだと考えています。わかりづらい言葉や文章での結果と説明が、画像とともに提供できるようになったことで、受けていただいた検査の意味や結果を以前よりもよくご理解していただけ、さらに次のステップである精密検査にも利用が可能となったと考えています。画像保存のためのフィルムが必要ではなくなり、院内・院外共にデジタル保存で対応でき、エコにも役立っていると考えています。それが第2の点だと考えます。ご理解賜った行政の関係各位はもちろん、住民の皆様に深く感謝いたします。今年は、健診技術の精度をさらにあげることが、そのお気持ちにこたえることだと考えています。

 当院が地域から要請されている責務は、第1に救急医療、第2に健診業務、第3に医療行為の多い方への看護・入院医療という、3つの業務を安定的にご提供することだと考えています。医療にかかわるソフト・ハードは日進月歩で進歩していますが、その導入は必ずしも容易ではありません。とくに、福祉や医療への財源圧縮という施策により多くの医療機関は頭を悩まさざるを得ないのが現実です。また、有効利用には必要な人員確保が前提といえます。昨今、医師・看護師を始めとして医療に携わる職員の確保はさらに困難さを強めています。残念ですが、当院でも同じ状況にあります。今年は、先にあげましたようなソフト・ハードの能力を十二分に生かせるように、不足している職員確保を優先することが、3つの業務を提供するための最重要課題と考え取り組んでゆく考えです。


院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成20年6月)

 ○○(介護施設など)から発熱の患者さんが搬送される。喘鳴聴取、肺野の呼吸音は荒く、酸素飽和度が低値、胸部写真で両肺に陰影を認め、誤嚥性肺炎との診断で入院となる。既往歴では数ヶ月前にも同様な状況で入院治療を受けている。今回は経口摂取を断念しPEG(胃ろう造設)を行わないといけないかもしれないとの判断で、ご家族に在宅での栄養・介護の必要性を説明すると、老夫婦の二人暮らしでとても世話は無理とのこと、結局紹介を受けた○○に受け入れを要請するが、かなり日数がかかるとのことで、それまで入院にて管理することとなる。

 このような患者さんが、高齢化(平成19年度当院内科入院患者さんで、80歳以上の方が52.9%を占めています)、医療レベルの向上などにより増加しているのが現状です。当院でも入院患者さんの半数がこのような患者さんで占められています。脳血管障害後遺症、悪性疾患末期、あるいは生活習慣病を合併され、医療はもちろん介護の必要性も高く、また、誤嚥による気道感染、脱水などを契機とした体調不良や感染症を併発され、入退院を繰り返される(平成19年度当院内科入院患者さんで、2回以上の入院をなさっている方が20%を占めています)ことにつながってきています。

 救急医療、悪性疾患や生活習慣病などの早期発見と治療・予防という最初の医療から、疾病を持ちながら医療介護を家庭・施設で受けられるという段階までの間の、中間に位置すると考えられるこのような医療状況の改善には、「問題がある」というコメントはなされても、対策が不十分で、現場は途方にくれているというのが実情かと考えます。

 1次から3次救急医療の円滑な運営のために、人的・財政的、また地域医師会の協力や医療機関の連携を声高に伝え、一部は実行されつつあるようですが、それに比して一方、病院から在宅・施設への受け入れの充実に関しては、あまりにお粗末な観が否めません。

 平成2年の開院以来、地域の皆さんからのご要望にこたえるべく、外来・入院業務、救急業務、健診業務を行ってまいりましたが、昨今の医療行政の誘導の結果、そのすべてにわたり十分な業務内容を提供してゆくことが、なかなか厳しくなってきているのも事実です。

 医療業務に携わる職員はそれぞれが専門職であり、特に昨今はその確保が困難になってきています。育児・子育ての援助が女性職員の就業継続に大きな意味を持つことを踏まえて働きやすい職場環境を整える努力を行っています。さらに、地域に根ざす病院としては、地元の方に多く働いていただくことが重要だとも考えています。

 外来・入院業務においては、登録医の先生方との連携はもちろん、市外の医療機関との連携(紹介や逆紹介)により、効率的な診療を行ってゆくことも重要と考えます。退院後の在宅・施設入所においては、患者様やご家族様のご希望を考慮し、早期より計画することで円滑な運用を図ってゆくことが肝要と考えます。地域の諸施設とはよりいっそうの協力関係が保たれるように努力してゆく必要性を感じています。

 健診に関しては、今年度から開始される「特定健診後の指導」にも可能な限り参加し、地域の皆様の疾病予防、健康増進に貢献してゆく考えです。今年正月に、総論賛成、各論反対という内容のご挨拶をさせていただきました(平成20年1月の病院HPでのご挨拶)が、この事業はすでに開始されていますので、地域の皆様の健康増進のいったんを担わせていただいている医療機関としてはできる限りのことは行ってゆく考えです。すこしでも地域の皆様の健康寿命の延長に役立つことができれば幸いと考えます。地域医師会設立の病院という性格からも当然ではありますが、行政との協力関係をさらに強くしてゆくことが重要と考えています。検診業務に関連した高額な医療機器の導入に際しては補助金を拠出していただき、それに答えるべくさらなる充実に努めてゆく考えです。


院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成20年1月)

新年明けましておめでとうございます。

医療界にとって(=国民にとっても)今年はよい年でありますようにと祈る年始をすでに数回通過してきてしまいました。医師や看護師の不足、医療保険制度で担保されていた「いつでも・どこでも・均一で高度の医療が受けられる」神話が崩れ落ちるような事例、などなど、よいとはとてもいえない状況がいくつでも浮かんでくる1年でした。医療に携わる我々はすでに限界がきています。政府にはもっと柔軟で抜本的で(かつ短期的)有効な施策を打ち出していただきたいと望むところです。

さて、今春から特定健診なる事業が始まろうとしています。将来的な疾病を予防し、結果として国民の健康が担保され、かつ、社会保障費の削減にいたるとなれば、もろ手を挙げて実施してゆかねばならない事業といえます。医療に携わるものとして、疾病にかからないですめば、それにこしたことはないことは日々の医療現場で体験しています。そしてまた、疾病に要す費用より予防が徹底されればその費用の方が少なくてすむことも理論として理解できるところです。ですから、その事業に積極的に携わる意義は大きいとも考えています。

ただ、危惧を感じるのも事実です。
 健診を生かした疾病の発症防止には、今までも関与してきましたが、「今年も同じ異常を認める健診結果を通知する」「異常を認めない受診者が減少している」という現実が繰り返されています。取り組みが甘いといわれればそれまでですが、苦痛の無い状況で生活習慣を修正することが簡単なことではないということは、多くの方が実感しておられることでもあります。今回の健診事業では、生活習慣から疾病がおこる危険性の高い集団(流行語ともなった「メタボリック症候群」とその予備軍)を健診で拾い上げることから始まります。その流れを阻止するために、日々の生活の中で、何を修正すべきかを自己管理できるように指導・支援することが、事後指導として行われます。結果判明後の初回面接で、改善すべき意味とその生活習慣を理解していただき、どのように修正したらよいかを達成可能なものから、いつまでに(例:3ヵ月後)、なにをどれだけ(例:体重を3kg減少、歩行習慣を毎日40分)行い、その経過を記録(例・体重測定、腹囲測定、歩数記録)し、中間で結果を報告していただいた上で、再度の指導・支援(例:賞賛と励まし)を行い、最終的には、目標達成とともに、次回の健診で結果が改善されていることを評価するというものです。メタボリック症候群は減少したか、疾病防止につながったか、健康の担保につながったのか、という評価はもっと先の判断にゆだねられると考えます。受験勉強での「学生と教師の関係」のように感じられますが、国民の皆様も指導する側も息切れしそうな事業という印象を持ってしまいます。

さらに、健診受診率、指導実施率を設定し、達成されない場合は補助金を削除するという「むち」が事業を行う保険者側に課されています。踏んだりけったりとはこのことではないでしょうか。

事後指導を担う施設・人などが明確にされていません。医師、管理栄養士、保健師が行うとされていますが、どこにいる人が担当可能なのでしょうか。疾病治療のために医師も栄養士もその業務はいっぱいな状態ですので、それ以上に仕事ができる余力は残っていないと考えます。しかし、現実的には無理を押し付けられるのだろうと「あきらめ気分」でいるのも現状ですが。

医学部定員を削減した施策から一点増員という方針転換に代表されるように、医療にかかわる昨今の施策も「場当たり的で一時しのぎ」で先を見据えているとはいえないものばかりです。今回の事業についても人・金の後ろ盾のないままでの見切り発車という印象をぬぐえません。

しかし、そのような状況でも事業は始まるわけですから、できる限りの範囲で携わることになろうかと考えています。年始めはこの課題の検討からスタートといった印象です。


院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成19年5月)

東海地方に代表される経済界の状況と対をなすのが医療現場といえるのかもしれません。人材集めや日比進歩する中での必要な投資がままならないがために、現有のマンパワーに頼らざるを得ない状況となっています。そのような状況が安全を脅かす危険性については以前から指摘されていました。

 全米科学アカデミー医療の質安全委員会(IOM)が、米国の医療ミスの年間死亡者数は最大で約10万人と報告(1999年)したことは当時非常にショッキングでした。同時に長時間勤務が医療ミスの原因であると指摘していた点が注目されます。連続9時間勤務で危険性が高まり、12時間で通常の2倍、16時間で3倍になると報告しています。その結果を踏まえ、24時間以内に12時間以上働かない、7日間で60時間以上働かないように、と勧告しています。日本でも、患者安全シンポジウム(2006年11月)で、医師の数を増やすか、医師の権限を他業種に分散することを提言しています。

 最近行われた、日本病院会の地域医療委員会の勤務医に関する意識調査(勤務医5636名)の報告からも医師の過重労働が裏づけされました。週40時間以下の勤務はわずかに4.1%、48から56時間が26.1%、56から64時間が20.8%、64時間以上が23.2%で、約7割が過酷な労働状況にあるといえます。夜間当直は月2回以内が41.9%、3から4回が40.8%、5回以上は17.1%で、翌日勤務は88.7%で通常勤務となっています。そして、勤務医不足の要因の第1が過酷な労働条件(61%)、ついで新臨床研修医制度の導入、国民・マスコミの医療に対する過度な安全要求、と続いています。これらの要因が解消されなければますます勤務医は不足してゆくと予測しています。その結果、医師の増員が実効的な対策との考えが8割にも昇っています。医師が労働基準に照らした勤務状況で働くとして、現状の医療をささえるのにあと幾人が必要でしょうか?試算していただきたいと考えます。

 医療過誤の原因の7割もこのような過酷な業務による慢性疲労で、ついで、患者数が多く一人当たりの診療時間や密度の不足、医療技術の高度化や医療情報の増加による負担と続いています。開業に歯止めをかけ勤務医を増やそうという意図がうかがえるような診療報酬改定や、開業医にも夜間・休日の診療にもっと積極的に介入するようにとの指針も出されていますが、実効性がはたしてあるのでしょうか。病院への患者集中を緩和するべく取られた、過去の施策は結局効果なく、現在の病院勤務医の過酷な現状を作り出したということの反省がまったくなされていないといわざるを得ないと思えます。

 当院の位置する西濃地域でも医師不足、看護師不足はきわめて厳しい状況ですが、職員一丸となって地域のご希望にこたえるようにがんばってゆく決意でいます。不在となっていた常勤の整形外科医師は確保のめどがつき、従来どおりの医療が提供できる環境が整うことに安堵しています。これまでご不自由をおかけしてきた地域住民の皆様にもきっと期待していただけるような医療が提供できるものと期待しています。

 健診業務においては、事後説明と事後管理の徹底、特に岐阜県では糖尿病対策、糖尿病予備軍の発病予防対策が重視されています。当院は糖尿病教育関連施設でもあり、地域医師会との連携実績もあり、行政ともさらに連携することにより、地域住民の皆様の健康管理、発病予防に寄与できるものと考えています。


院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成19年1月)

今年の干支は猪、「猪突猛進」とゆきたいところですが、医療界は依然として厳しい底冷え環境にさらされ、走りたくても体はこわばり、鼻先にあるのは乾ききった人参の根っこだけ。「疲れてもう休みたい」と言い出す医療人がでてきてもおかしくないような状況です。政府やマスコミは、戦後最長の好景気と合唱していますが、実感できているのは誰でしょうか。気候同様、感覚にも変化が生じてしまったのではないかと疑いたくなる、今日この頃です。

さて、昨年の流行語大賞のひとつに「メタボリック症候群」が選ばれました。まだ未解明な部分が多い疾患(群)と考えますが、「ひとつの病気」として、多くの悪さをする巨悪のごとく世間では扱われています。しかし、その扱われ方からは逆に、一時のフィーバーに終わるのではないかという危惧も感じられます。政府が行う、目標が見えてこない医療行政になんとなく似ているように思えてなりません。

一般的に(正論として?)苦痛症状のない状態の疾患は、患者さんから(医療者も?)軽視されがちです。元気だから、ご飯がおいしいから、恰幅が良いから、仕事もバリバリできるから、などの「言い訳」も同時によく耳にします。すこし以前の日本の生活習慣を実行することで、かなりの方が、メタボリック症候群の基準からはずれてゆくと考えられますが、なかなかうまくゆかないのも現実です。

当院での平成17年度の検診で、基本検診項目に異常を認めなかった受診者はわずかに10%でした。本来異常が少ないと考えられている20歳代の受診者(特に男性)でも、肥満、軽症高血圧、軽症高脂血症、高尿酸血症、などが認められます。まさしく、メタボリック症候群かその予備軍といえます。10年以上前には、若年の受診者に異常が少なかった記憶からすると、雲泥の差といえます。

 中国の四川省のサルが、観光客からえさをもらい肥満になったということです。通常25kgが40kg以上になったということです。当局は、低カロリーの餌をあたえ、音を鳴らして運動をさせたそうです。その効あって、体重が3割減少したと報道されていました。日本でもペットが出演する番組が結構ありますが、中国のサルと変わらない動物も見かけます。観光客が飼い主に代わっただけで、類似現象と思われます。

 財政抑制もこのような医療界へのムチなのでしょうか。不十分な餌ではいつまで運動を続けられるのか、とおもったりする昨今です。

 さて、こつこつとひたすら最高の医療を提供することが喜びとなる日を期待して、新しい年の第1歩にしたいと存じます。

今年の課題は、

第1に医師の確保

第2に看護師の確保という最も困難なものとなりました。


院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成18年7月

野口選手が優勝したアテネ夏季オリンピックの興奮が冷めやらないうちに、荒川選手が金メダルを手にしたトリノの冬季オリンピック、そして日本が優勝した第1回のそして今夏のワールドカップ(残念ながら決勝トーナメントには進めませんでした)。スポーツ界は楽しい話題でいっぱいですが、さて、経済面はどうでしょうか。世間では景気は上向き、過去のバブル期をしのぐような状況とも言われています。また、そのような時期につきものの如く起こる不祥事が、好景気の旗手でもある産業や公共企業などから発生してもいます。しかし、皆さんは好景気と言われて実感できるでしょうか。日本の元気の旗振りであるこの地方に暮らす住民ですら、多くの方は実感できていないのではないでしょうか。

医療界は、まさしく好対照の状況といえます。歳出を抑えることから始まったこと、当然の結果と思わざるを得ないのですが、施策の端々に温かみが感じられない印象をうけるのは小生のみでしょうか。

医療機関は、特に地方の、臨床研修医の指導が可能な一部の医療機関を除き、医師確保が困難となっています。従来の供給元であった大学医学部も同様の状況におかれるようになってきています。絶対的数の不足、特定診療科での不足、などが複合して存在し、救急医療が行えない、出産が出来ない、などの不合理な状況が生じている事が、様々に報道されています。

研修医の来ない病院(日本では多くの病院が該当すると考えます)での、医師確保の方法はなにか。為政者の施策はなく、民間での有効な手段もない状況下で、個々の医療機関が努力するべきこととされています。従来どおり大学医学部に派遣を依頼するか、医師の公募あるいは派遣業者へ依頼する方法しかありません。前者の状況はますます厳しく、といって後者も十分な状況とはとてもいえず、地方単独で確保の道を模索するだけではどれだけ効果が期待されるか疑問といえます。子供が満足に出産できない地方、ますます高齢化が進む地域、医療レベルでの地域格差の拡大、などが現実化してゆくのではと危惧するのですが、どうでしょう。為政者の方々には、現実を踏まえた、血の通った施策を提言し実行していただきたいと望むばかりです。

十分な看護が行える看護体制は、1対1以上だと言われています。諸外国では常識であるとも言われていますし、勿論異論を挟むつもりはありません。ただ、今春の診療報酬改訂の前後で看護師確保が一段と厳しくなってきています。現行以上の看護体制を、歳出を増やしてでも行ったほうが結果的に有利だという計算もあり、大病院を中心として看護師確保の競争が一段と昂じてきているような報道がなされています。

看護師に限らず、医療に従事する職員を増やす事は、一般的に医療レベルを上げる方向につながります。確保に必要な医療機関内外の状況が厳しいものであることが問題と考えます。医療体制全体を抜本的に改善する施策を望んで止みません。

この春から過重労働に対する見直しがなされています。当院常勤医師の4月における超過勤務時間(当直時間・宅直拘束時間は除く)をタイムカードから調査したところ、週当たり平均13.1時間という結果が出ました。20時間には達していませんが、超過時間が必ずしもタイムカードにすべて反映されていないことや、連休を含んだため多少短い結果になったのだとは考えていますが、それでも24時間の救急体制を維持して勤務している現状は決して好ましくない状況と考えられます。

今年度の当院の課題は、職員の充足、特に不足常勤医師、看護師養成による早期の療養病床の再開、その結果として院内外で従来どおりの質の高い医療の提供が出来ること、第2には、住民検診の事後処置の充実による疾病の早期発見・早期治療、あるいは疾病発症の防止に貢献できるようになること、であると考えています。職員の皆さん、海津市医師会の諸先生方のご努力とご援助、そして海津市を代表とする地域の団体の皆様との有機的な連携が出来てこそ、はじめて達成できるものと考えています。

さて、例年の「院長の通信簿」は次年度に評価させていただくことにさせていただきます。


院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成18年1月)

 今春の診療報酬の改訂では過去最高の3強の下げ幅になることが決まりました。当院には勿論、すべての病院経営者には非常に厳しい決定であるといわざるを得ません。国民が負担増になるのなら、当然に医療者側も同じでなければとの説明である。高齢化は着実に進み、それを支える現役世代の減少もとどまる気配は無く、現在の社会保障・保険制度は、このままでは破綻の危険性が見える。さて、その時、為政者側には負担というか責任は無いのだろうか、と問いたい気持ちです。

一昨年当院では医療型療養病床を一時閉鎖し、100床の一般病床のみで地域の診療を行ってきました。非効率な一般病床の使用、地域保健施設への退院後の受け入れの依頼要請の増加、など、地域住民の皆様をはじめ、当院登録医の先生方、関連施設の皆様にも多大なご迷惑をおかけしてきたと考えています。

その原因のひとつは、医療職人材確保の困難さにあります。看護師の不足状況は以前から報じられていましたが、昨今は、医師不足に関する話題が後を絶ちません。2年前に始まった卒後臨床研修システムの導入後から盛んに報じられるようになっています。当地区のような地方にいますと、医師をはじめとする医療職の確保は様々な意味で大変です。一部の大企業における好調さを除けば、多くの国民は経済的にいまだ不調であるという社会状況を考えると、診療報酬が下げられる医療分野では、魅力が低下し、ますます、人材確保にも支障が出てくることが危惧されます。

困難な状況ではありますが、地域のニーズにこたえてゆく努力を継続することしか方法はありません。早期に本来の病院の形に戻すことが今年の大きな課題と考えています。ますます、地域の住民の皆様から「診てもらってよかった」「また受診したい」と思われるような病院なるよう、職員一同がんばってゆく所存です。


院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成16年3月)

3月28日から海津郡3町が合併され、新しい「海津市」が誕生いたしました。それに伴い、当院の名称も「海津医師会病院」から「海津医師会病院」に変更されました。名称が変わりましても、職員一同今まで同様に、地域の皆様に喜んでいただける医療を提供してゆくことに変わりありません。よろしくご指導・ご鞭撻をお願いいたします。

 以前から、地域の皆様との心の通い合う医療を行えるよう努めてまいったところでありますが、ようやく「医療情報の開示」に関わる院内体制が整いました。しかしながら、この4月から「個人情報保護法」が施行されることとなり、開示は当たり前という状況に変わりました。患者様の様々な情報につきましては、細心の注意をはらい日常の診療で活用させていただき、その結果を患者様の医療に反映させてきたつもりですが、まだまだ不十分と言わざるを得ません。この4月からは、この法の趣旨を十分に理解し、趣旨に沿うように努めていく所存であります。

院内の掲示物あるいは説明のパンフレットなどをお読みになり、患者様と病院と二人三脚でよりよい医療が提供できる環境を作っていこうと考えていますことをご理解いただき、忌憚のないご意見をお聞かせいただければ幸いと考えています。準備不足も否めないところでありますので、なにとぞご協力をお願いいたします。なお、内容の一部はこの病院「ホームページ」にも記載されておりますので、あわせてご覧いただければ幸いです。


院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成16年7月)

地域の中でも重要な、皆様の健康の維持と増進に貢献することは、当院が行うべき業務の中でも重要な分野と考えてます。従来から各種の検診業務の見直しが行われる中で、乳癌検診は、医師による触診に画像検査、特に40歳以上ではマンモグラフィーよる検査を加えることが有効であり、推奨されてきています。

 検診を受けられる方々、健診業務に関係する各種団体、とりわけ行政のご理解があり、そのご協力を得て当院では平成7年から他地域に先駆けて、触診とマンモグラフィーきよる乳癌検診を行ってきています。平成15年度には検診受診者が1100名を越え、地域住民の皆様の関心の高さを感じています。本年5月には、老朽化した従来のマンモグラフィー機器を、専用室に据え置きの機器に更新し、一層のご期待に応えるべく体制を整えました。今までの当院の努力の結果もさることながら、住民の皆様ならびに行政側の深いご理解があっての二人三脚の結果、と感謝いたします。検診での異常結果は当院外科で超音波検査や組織検査などを行える体制となっています。

 今回の更新に関連して精度向上にむけての変更を行いました。従来の1方向の撮影から2方向(従来の内外斜位撮影に頭尾方向撮影を加えました)での撮影を行うことでより精度を向上させ、地域のご期待に応えようというものです。一人当たりの時間が延び所定時間での検診人数の制限が生じますが、検診を受けられる皆様のためということでご理解いただきたいと存じます。また、新しい機器・体制ということだけではなく、当院の医師や技師が「認定読影医師」、「認定撮影技師」の資格を習得しましたので精度管理委員会による健診マンモグラフィー施設認定を受ける予定でいることも加えさせていただきます。

 検診は、その趣旨をご理解いただき、多くの方に受診していただき、早期発見、早期治療をすることが目的ですので、啓蒙活動も重要と考えています。


院長挨拶 (院長 今井龍幸:平成14年4月〜平成16年7月

海津郡医師会病院は平成2年に開院し、干支を一巡りしたばかりの若々しい病院です。地元の診療所と病院が、その機能を生かしながら一方では補完しつつ診療を行う、病診連携を基本とする全床開放型病院です。

患者さんにとっては、普段は地元の診療所の先生が主治医ですが、検査や特殊な治療が必要なときは病院医師がその間主治医になるということです。別の言い方をすれば、病院で診療を受けておられるときには、地元の先生が「セカンドオピニオン」として、病気療養の全般にわたってご相談にのっていただけるシステムだといえます。

入院中の患者さんの場合、地元の先生が来院されますので、検査、治療、退院後の療養などについて相談を受けていただくことが出来ます。その上で、病院側は患者さんの安全第1をモットーとし、かつ適切で満足のいっていただけるような診療を行うようにいたしています。医療の進歩に遅れないように、職員の研鑚を行い、必要な医療機器を用意し、郡内の先生方と手を携えて地域の皆様の疾病予防、健康増進、そして診療に貢献したいと願っています。

 当院の理念は、安全で良質な医療を、地域の皆様に満足していただける形でご提供することだと考えています。そのために、職員一同は皆様のご期待に沿うよう、職務に励む所存でおります。

 喫煙・受動喫煙に関する問題は、論外とお考えの皆様が多いと考えています。院内での喫煙状況や喫煙場所の問題などに関して、開院後数年経過した頃から、お叱りのご投書を時々いただくようになりました。当院の理念からみましても、喫煙可能な病院は、良質とは言えず、皆様に満足していただける医療の提供という点からも、かけ離れた医療環境といえました。ただ、具体的な打開策を打ち出すことも出来ず今日に至ったというのも事実であります。しかし、「健康」を守るべき病院が禁煙でないのはおかしいと考え、トップダウンで、今年11月からの全館禁煙を決定いたしました。

 当院をご利用いただきます皆様には、どうかその趣旨をご理解いただき、「禁煙」にご協力お願いしたいと考えています。皆様の健康を託される当院職員も同様に「禁煙」を遵守いたします。当院では、タバコは「売らない」「持ち込まない」「吸わない」の3原則を徹底したいと考えております。どうぞ、ご理解とご協力をお願いいたします。

 医療の質を向上させる、皆様のご期待に沿う、あるいは、ご要望にこたえることが、当院に課せられた使命と考えています。その中の一つとしての「全館禁煙」という環境整備でした。療養環境の整備の一つとして、チーム医療を行うこと(一人の患者様に複数の医療従事者が関わり、それぞれの特技を生かして、効率的で安全安価な医療をご提供する)も重要視されてきていて、当院でもそのあゆみを開始しています。2番目にはカルテに記された情報は患者様のものであるという認識に立った「情報開示」です。当院でもその意味を職員が理解し、情報開示に向けて準備をしてきました。やっと、その手順が整ったというのが現状です。さらに、この1年は、環境設備における医療の質の向上、チーム医療を基本とした医療の効率化と安全保障、医療行為の開示、の3点について、さらにご期待に沿うべく努力したいと考えています。


院長挨拶 (院長 關野昌宏:平成6年4月〜平成14年3月

 海津郡医師会病院は平成2年に開院した比較的若い病院です。診療所と病院がその機能を補完し合ういわゆる病診連携を基本とする140床全床開放型病院です。
>具体的には、患者さんには入院中の病院主治医と在宅での主治医と二人の主治医が居ることになります。
入院された患者さんは馴染の先生の診察も受けられますし、手術の相談や退院後の指導も受けられます。私たちは、患者さんの安全安心を第一としております。近代的な医療機器をそろえ、海津郡医師会の先生方と手を携えて医療を通じて地域の皆様に貢献したいと願っています。